ワンワン・バウワウ

7月 16, 2007

英語は、犬の発声に関する単語に豊かだ。日本語では、大体犬が「鳴く」または「吠える」と言うが、英語では、一般的な単語だけには、「bark」、「bay」、「howl」、「yelp」、「squeal」、「whine」、「growl」、「snarl」などがある。これらは、同義語ではなく、それぞれの意味がかなり違う。

もちろん、日本語では、同じ概念を表現することができる。たとえば、「yelp」なら「キャンキャン鳴く」と言えるし、「growl」だったら「うなる」と言える。しかし、これは特に「犬らしい」言葉だとは言えない。ただ普通の言葉を犬の発声に適用したような感じがする。英語の場合は、明らかに「犬からきた」言葉のような感じがする。

また、英語は犬の発声の擬声語にも豊かだ。多くの日本人は、「ワンワン」で十分だと思うかもしれないが、英語ではまだまだたくさんの単語がある。日本でよく知られている「bow wow」もあるが、その他に「woof」、「arf」、「ruff」、「yip」、「yap」、「grr」などのような言葉もある。

このようなことから、英語人は昔からどれだけ犬となじんだ生活をしていることが実感できるような気がします。 その生活で、犬の多様な行動や発声を観て、それにあった単語をたくさん作ったではないかと思う。


雷電

6月 2, 2007

今、「雷のリスク対策」に関する翻訳にあたっているが、一つ面白いことがわかった。それは、英語では「thunder」と「lightning」として雷の「音」と「電気」をはっきり区別するが、日本語ではそんなにはっきり区別しない。「雷」という言葉には、その二つの概念混ざっている。「Thunder」のように、雷の音がゴロゴロするし, 「lightning」のように雷が落ちる。もちろん、日本語でも「電光」などのような言葉もあるが、普段の会話では「雷にうたれた」とか言うし、「電光にうたれた」という言い回しはあまり耳にしないと思う。でも、英語では、「struck by thunder」はナンセンスに聞こえるし、必ず「struck by lightning」と言わないといけない。

英語では、「thunderstruck」や「thunderbolt」のような言葉もあるが、その言葉はもう「雷電」実体の現象とは関係なくなった。「Thunderstruck」はただ「がく然とした」という意味で使うし、「thunderbolt」はなんか昔話に出る言葉のような感じもする。たとえば、ギリシアやローマの神話には、ゼウスやジュピターが投げる「雷」としては、「thunderbolt」がよく合う。


「バベル」と日本語の手話と英語の字幕

4月 30, 2007

今間、「バベル」という映画を観ました。映画実態も、よかったけど(One-Sentence Movie Reviewはこちら)、一つ不思議に思った現象もありました。それは、日本語の手話と英語の字幕のことです。

「バベル」の中には、日本人の女子高生のろう者のキャラクターがいます。

その子は、友達などと話す台詞はすべて手話で話します。友達の中には、手話をしながら声で話す子もいるが、不思議なことは、その言葉が日本語として僕の頭に入りませんでした。字幕を読んで、英語だけで理解しました。それがどうして不思議に思ったのは、普段、日本の映画などを観るとき、日本語で観ます。ようするに、英語の字幕も読むが、9割以上の理解は、日本語として頭に入ります。

しかし、「バベル」を観たとき、日本語の手話だったが、英語として理解しました。耳の聞こえる人と聞こえない人の会話を観ても、頭の中では、まるで英語の手話と日本語の話し言葉の会話になってしまいました。日本語の手話なのに、どうして日本語として頭の中に入らないでしょうか、と不思議に思いました。